埼玉県知事選挙のネット選挙事例の考察

ネット選挙の事例

2019年8月25日に投開票が行われた埼玉県知事選挙。

優勢と言われた青島健太さんを大野元裕さんが逆転し当選しました。

票数の差は6万票。

与党が僅差で負けたといえます。

しかも選挙前では与党の青島氏が優勢といわれていましたから…

「最後の詰めで差がついた。」

と思われます。

「最後の詰め」はネット対策であると確信しています。

知事選における地上戦での分析は他のサイトにいくらでも書いてあるので、このブログでは埼玉県知事選挙のネット戦術について書いていきますね。

ネット戦術において、大野氏は青島氏より明らかに勝っていました。

具体的には、

・検索対策

・SNSの使い方

・発信する情報の内容

・動画

上記の4つにおいて大野氏が優れていたのです。

ネットの使い方の差が知事選の決着に影響を与えました。

つまり・・・

ネットの使い方で選挙の勝敗が決まることもある。

芸能人の知名度ではなくインターネットを使った発信の質が、選挙に大きな影響を与える時代になったのです。

 

埼玉県知事選挙・ネット検索対策を比較

 

埼玉知事選に立候補したのは大野元裕氏と青島健太氏。

埼玉知事選挙の勝敗を分けたのは立候補者名で検索したときの検索結果の違いです。

立候補者名の検索結果は選挙の勝敗に大きく影響します。

立候補者名の検索結果の最適化が選挙の勝利に直結するのです。

ではまず、大野氏の検索結果を見ていきましょう。

大野元裕氏の検索結果には公式ホームページと…Twitterの投稿がダイレクトに埋め込まれています。

さらにはアメブロもありますね。

アメブロの投稿には奥様との写真が掲載されています。

大野もとひろ『妻に感謝』
「絶対いやだけど、言い出したらやめないんだよね。」  政治家になると言ったときの妻の言葉である。研究者、外交官としての私を配偶者にした彼女には、戦争を経験させ…

「大野元裕」の検索結果には、以下の情報が出てきます。

・公式ホームページで政策の主張

・Twitterでリアルタイムな活動報告

・家族と一緒に写る写真

選挙で有権者が必要とする情報は、

・政策

・活動報告

・人となり

この三つです。

大野氏の検索結果は、有権者が少ないアクションで必要な情報に辿り着けるように最適化されていたのです。

対して…

青島氏の検索結果にはニュースやウィキペディアなど、本人が発信していない情報ばかりが出てきました。

せっかく有権者が辿り着いた公式サイトには、チラシやポスターなどあえてインターネットで発信する必要がない情報ばかりが並んでいるのです。

これでは、青島氏の政策・活動報告・人となりを有権者が手軽に確認できません。

敗北した青島氏は検索結果が最適化されていなかったのです。

 

立候補者名の検索結果最適化が選挙勝利の鍵

 

立候補者名の検索結果は選挙の勝敗に大きく影響します。

とくに国政選挙や首長選挙など立候補者が少ない選挙の場合。

立候補者名の検索結果の最適化が、選挙の勝利に直結するのです。

立候補者名で検索する有権者は少なくとも選挙に興味がある人。

投票する意思が少なからずある人とも言えます。

有権者が立候補者名で検索した時にスマホの少ないアクションで立候補者の豊かな情報にたどり着ける。

そんな立候補者に票が集まるのは自然な流れといえるでしょう。

 

立候補者名の検索結果最適化は地方選挙でも有効

 

今回のような埼玉全土を巻き込む大規模な選挙の場合、地上戦で回れるエリアは限られています。

だからこそ立候補者名で検索した時に…

Twitterによるリアルタイムな活動報告が検索結果に出てくると、地上戦で回れていないエリアをカバーできます。

このように、選挙で勝つためには検索結果の最適化がとても重要です。

そして…

市議選や県議選においても有権者が立候補者名で検索したときに、

・政策

・活動報告

・人となり

上記3つに即アクセスできれば…

地方選挙でも有利に選挙戦を展開できるのです。

 

埼玉県知事選挙・SNS対策を比較

 

次はSNSについて解説していきます。

敗北した青島氏のTwitterは、選挙情報を一方的に発信するために使われていました。

しかし勝利した大野氏のTwitterは、有権者からの支持を積極的にアピールする場所として使われていたのです。

TwitterやSNSは、ブログやメルマガのように立候補者から有権者に一方的に情報発信するメディアではありません。

TwitterやFacebookは有権者の発信を簡単にリツイート・シェアできますから…

有権者が立候補者を応援する投稿を、立候補者自身がシェアして紹介できます。

つまり有権者の支持を拾い上げアピールする場所。

それがSNSなのです。

とくにTwitterのリツイートは手軽にできて効果的です。

 

埼玉県知事選挙でのTwitter活用方法の違い

 

まずは青島氏のTwitterを見ていきましょう。

青島氏のTwitter

投稿頻度が高く積極的に活用していますが…

注目してほしいのは「リツイート」です。

青島氏のTwitterは、明日の予定や活動報告など自分自身での発信がほぼ100%です

一方、大野氏のTwitterは…

エゴサーチしないと出てこないような弱小アカウントの応援投稿までも拾い上げて、積極的にリツイートしています。

 

選挙におけるSNSは有名人よりも「草の根の支持」

 

冒頭でお伝えした通り、SNSは有権者の支持を拾い上げアピールする場所です。

ブログやメルマガのように、立候補者から有権者に一方的に情報発信するメディアではありません。

SNSは簡単にシェアやリツイートできるので、立候補者本人がどれだけ有権者に支持されているかを手軽に露出できます。

有名人や現役閣僚の応援演説よりも…

有権者の立場に近しい人たちが支持していることがわかると、投票先を決めていない有権者はとても安心します。

有名人を連れてくれば、その場に人はたくさん集まるかもしれません。

しかし必ずしも投票には繋がらないのです。

野次馬で見物しに行く対象にはなりますが、投票の参考にならないことを有権者もわかっているからです。

自分と近しい立場の人が支持している情報は、投票先を決める重要な要素になるのです。

 

埼玉県知事選挙の情報提供量でも圧倒した大野氏のSNS

 

さらに大野氏のTwitterは、選挙管理委員会や中立的なメディアのツイートも積極的にリツイートしていました。

こうすることで選挙全体の情報を発信するメディアとして、大野氏のTwitterは機能していたのです。

選挙全体の様子を大野氏のメディアで確認する。

そんな状態になっていたかもしれません。

さらに最終日24日のツイート数をご覧ください。

青島氏に比べ大野氏のツイート数は、23日以前の過去ツイートにさかのぼることが大変なくらい圧倒的な数です。

 

SNSは有権者からの支持をアピールする場所

 

TwitterやSNSは、ブログやメルマガのように立候補者から有権者に一方的に情報発信するメディアではありません。

TwitterやFacebookは有権者の発信を簡単にリツイート・シェアできますから…

有権者が立候補者を応援する投稿をシェアして紹介できます。

つまり有権者の支持を拾い上げアピールする場所。

それがSNSなのです。

 

選挙で効果的なのはFacebookよりもTwitter

 

中でもTwitterのリツイートは、選挙に効果的であるとはっきりわかりました。

ちなみにFacebookのシェアとTwitterのリツイートは、機能的には同じですが効果は段違いです。

なぜなら…

友達が1000人いるFacebookでシェアしても、仕組み上1000人全員にはシェアした内容が届かないからです。

Facebookでシェアした投稿が届くのは、1000人のうち100人か200人ぐらいです。

しかしTwitterは、いっさい数の調整が行われません。

フォロワー1000人のTwitterでリツイートすれば、1000人全員のタイムラインにツイートが表示されます。

地方選挙ではFacebookが好んで使われていて、Twitterを活用する事例は少ないです。

しかし機能・効果両方において、選挙に適しているのはTwitterなのです。

 

選挙のSNS活用法をYouTube動画にしました

 

ブログのの内容をYouTubeでダイジェストに解説しました。

動画もご覧ください。

 

埼玉県知事選挙・LINE活用を比較

 

LINEはSNSの中でも特殊です。

なぜなら、立候補者から有権者に情報をプッシュして送信できるのはLINEだけだからです。

選挙で活用するLINEのことを、正しくは「LINE公式アカウント」といいます。

少し前までは「LINE@」と呼ばれていました。

LINE公式アカウントを使った選挙戦の事例が紹介されることは、滅多にありません。

そこでこの項目では、LINE公式アカウントだけにフォーカスして解説していきます。

 

LINEの目的は友達を増やすことではない

 

この記事を読んでいる選挙関係者の方は、LINE公式アカウントで友達をたくさん増やしたいと思っていませんか?

そして、増やしたたくさんの友達に投票をお願いする。

選挙名簿・電話作戦をLINEに置き換えるだけなので、想像しやすいと思います。

しかし、LINEの本当の力は友達を増やしたその先にあります。

埼玉県知事選挙において大野陣営は、LINE公式アカウントを使い協力者が大野氏を紹介しやすい環境を作り出していました。

動画でLINEの画面を見せながら解説していきますね。

 

LINEは選挙名簿プラスアルファの選挙ツールである

 

埼玉県知事選挙において大野陣営は、LINE公式アカウントを使い協力者が大野氏を紹介しやすい環境を作り出していました。

LINE公式アカウントは従来の選挙名簿に変わるものです。

今までは選挙名簿の電話番号に電話をして、投票と知り合いへの紹介をお願いしていましたよね?

電話スタッフを並べて人力でお願いしていたはず。

LINE公式アカウントは電話スタッフの負担を大きく減らしてくれるツールです。

投票と知り合いへの紹介をメッセージ1通で終わらせます。

「電話だからこそ伝わる熱量がある。」

否定しませんが、電話スタッフを何人も雇えるお金があるのなら…

せっかくのマンパワーは、ほかのことに使うべきです。

これからはYouTubeやSNSなど、インターネットの情報発信に予算と人的リソースをかけられる陣営が有利になっていきます。

このメルマガを読んでいるあなたも…薄々感じているのではないですか?

・地上戦のどぶ板効果

・集会の集まり具合

年々反応が悪くなっていますよね。

いっぽうで、スマホ片手にLINEを使うお年寄りは今後ますます増えていきます。

LINE公式アカウントを効果的に使うと、

・複数の電話スタッフが選挙名語を見ながら架電

・電話で話す時間

この2つを一瞬でショートカットできます。

しかも具体的にお願いしたいことを画像や文章で伝えられますから、有権者が実際に動いてくれやすくなります。

LINE公式アカウントは、支持してくれる有権者を動かすツールなのです。

そしてLINE公式アカウントは、選挙スタッフの人件費や設備投資を抑制してくれます。

 

埼玉県知事選挙・ネットに積極的ではなかった青島陣営

 

青島氏陣営はインターネットを積極的に活用しなかった、に尽きます。

青島氏はYouTubeチャンネルをほとんど活用していませんでした。

青島健太公式チャンネル
YouTube でお気に入りの動画や音楽を楽しみ、オリ...

 

アップした動画は10個に満たず。

ホームページからYouTubeチャンネルへのリンクも張られていません。

しかもそのほとんどは、本人の言葉ではなく応援メッセージばかりです。

対する大野氏。

大野もとひろ公式チャンネル
大野もとひろ埼玉県知事の活動を動画でお伝えします。WEBサイトやSNSも合わせてご覧ください。 ◎大野もとひろ公式サイト ◎LINE ◎Twitter

 

青島氏に比べると動画の数が多いですね。

応援メッセージが多いのは青島氏と同様。

チャンネル登録者数も少なく再生数もそれほど回っていませんが…

動画アップする意思を感じます。

青島氏のLINE公式アカウントとInstagramは見つけられませんでした。

対する大野氏。

使えるものはすべて使えとばかりに、すべてのSNSを更新していました。

 

埼玉県知事選挙から考えるネット選挙対策の今後

 

大野氏はネットを活用して、協力者が紹介しやすい環境を作り出していました。

これまた細かい部分ですが、大野氏のホームページにはいろいろなSNSで投稿をシェアするボタンがならんでいます。

大野氏陣営は有権者に向けて一方的にたくさんの情報を発信したのではなく…

有権者が協力しやすい環境を作り出していました。

最後の2日間で逆転した要因の1つに、ネットを通じて有権者の協力を仰いだことが挙げられると思います。

選挙は1人で戦えません。

そして選挙で戦っているのは、事務所スタッフだけじゃない。

立候補者が顔も名前も知らない有権者も、実は強力な「戦力」になり得るのです。

今後、選挙でインターネットを活用するなら…

・立候補者名で検索したときに公式ホームページとブログを上位に出して詳細なプロフィールを見てもらう

・Twitterで広く浅く支持を集める

・YouTubeで常に政見放送とリアルタイム報告を展開する

・LINE公式アカウントで1人ひとりに支援を呼びかける

・Facebookで熱量の高い支援者をクローズなグループに招待し特別感を醸し出し、票のとりまとめを依頼する

・可能であればInstagramを活用して、政治・選挙とは異なる一人の人間としての側面を訴求する

ざっとですが、このような活用方法を想定しています。

有権者は立候補者のことを、もっともっと知りたいのです。

投票する理由、投票先決定の後押しを必要としています。

そして組織的な票のとりまとめは、今後厳しくなっていくでしょう。

なぜなら・・・

有権者1人ひとりが手のひらで投票する理由を探せる時代だからです。

今までは立候補者の情報がないから、地元の有力者や組織から情報を得るしかなかった。

しかし今は違います。

地上戦の熱量をインターネットで知ってもらう用意は必須になりました。

今後は有権者がYouTubeやライブ配信で立候補者の情報を得るのが当たり前になっていきます。

ネットで豊かな情報発信をしていない立候補者は投票先として候補に上がらなくなるでしょう。

なぜなら、有権者は常にスマートフォンを持っていてその場で選挙情報を調べられるからです。

立候補者は有権者の手のひらに常に情報を届けられるように、準備しておきましょう。

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